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設計者コラム

#083 OpTaliXで倍率色収差制御

#043で似たようなことをやっていますが今回は単色収差ではなく横色収差、つまり倍率色収差をマクロ表現でメリットファンクション化してみます。
OpTaliXのレンズデータベースに"lac"という横色収差用のオペランドが既に存在します。
日本語マニュアルには書いてありませんが、どうやら指定した波長と基準波長の間の倍率色収差を返す仕様のようです。
例えば、基準波長番号が1の場合、

 

lac f2 w2

 

上のように設定すると、第2波長と基準波長(この場合は第1波長)の間の倍率色収差が帰ってきます。
勿論これはこれで良いのですが、第2波長と第3波長間の倍率色収差が欲しい時もあります。
そのような場合に使えるマクロ表現は以下のようになります。

 

$f=2
$w2=2
$w3=3
$z=1
@lca == [y si f$f w$w1 z$z 0 0] - [y si f$f w$w2 z$z 0 0]

 

上記の例では、
  像高番号2
  ズームポジション1
の場合の倍率色収差量が"@lca"を使うことで返ってきます。
基準波長ではない二つの波長の間で指定像高で倍率色収差量を同じに設定し、倍率色収差グラフをクロスさせたい場合に使えます。

 

自分流の作法で制御したいがOpTaliXに標準搭載されていないオペランドについては予めマクロ表現集ファイルを作っておき、"#include"文でメリットファンクションエディタに読み込めばラクです。