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設計者コラム

#079 Fナンバーと焦点距離(OpTaliX)

以前に『#039 Fナンバーと焦点距離』にて、Zemaxで設計中のレンズの焦点距離とFナンバーを固定する方法を書いたことがあります。
通常の方法で最適化を行っていると、特に焦点距離は目標値を設定していても変動してしまいます。
また絞りの設定をFナンバー指定以外にしている場合はFナンバーについても同様です。
以前はこの問題について最適化を行っても焦点距離とFナンバーが変動せず、キッチリ目的の値に固定される方法を説明しました。

 

OpTaliXでも同様の方法がありますのでご紹介します。
前回と同様、焦点距離を70mm、Fナンバーを3.5に固定するという前提条件です。

 

まずOpTaliXでも以下の設定を行います。

 

・絞りの設定に"Entrance Aperture (EPD)"を選択して"Aperture value"を20mmに設定します。(下図赤枠部分参照)

Aperture setting01

つまり入射瞳径φ20mmです。
像面直前の最終レンズの像側面の面番号をチェックし、"Surface Editor"の"Solves"タブから、該当面の"Solve-Type 1"から"UMY-ray angle Y"を選択します。
これは近軸的な軸上光線の射出傾角が指定の値になるように、曲率半径を自動計算するソルブになります。
今回の場合、入射瞳径がφ20mm、つまり入射瞳の半径は10mmで、目標焦点距離は70mmです。軸上光の射出近軸傾角は、

 

10mm / 70mm = 1.428571429

 

以上の値になりますので、これを負にした値、すなわち"-1.428571429"を"Ray angle Y"のセルに入力します。
OpTaliXの符号の規約上、収束光は傾角が負という決まりがありますので符号を負にしています。
この設定状態の例が下図です。該当面は第3面です。第3面の赤枠部分を参照してください。

solve setting02

上図の左下赤枠部分を見ると、キッチリ焦点距離が70mm、Fナンバーが3.5になっていることが分かります。
この方法は最適化のオペランドが減るので最適化が早くなる傾向にあり、尚且つ目標値に正確に合わせこみが出来るのでおススメです。