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設計者コラム

#039 Fナンバーと焦点距離

撮像レンズ設計をする場合、大抵はFナンバーと焦点距離が指定されます。
Fナンバーはレンズの明るさ、焦点距離は画角などと密接な関係があるためです。

ZEMAXの場合、Fナンバー制御にISFN、WFNOなどが、焦点距離制御にEFFLといった最適化オペランドが用意されています。
絞り径を絞り面半径による定義など、Fナンバー指定で決めなかった場合は最適化時に上記のようなオペランドを使って目的の値に近づくようにします。
しかし、あくまでも努力目標なので他のオペランドのウエイトが大きかった場合などは目的値から大きく外れる場合もしばしばです。
キッチリと目的値に決定したい場合には大きなウエイトを掛けることも出来ますが、Fナンバーと焦点距離を固定したまま最適化することも可能です。
Fナンバーはご存じのとおり、以下の式で求めることが出来ます。

Fナンバー = 焦点距離 / 入射瞳直径

例えば焦点距離を70mm、Fナンバーを3.5に決めたい場合には上式から入射瞳直径はφ20mmになります。

・ZEMAXのアパチャー設定を入射瞳径にして、その値を20に設定
・像面直前の最終レンズの像側面の曲率半径をFナンバーソルブにして3.5に設定

このようにすると強制的にFナンバーが3.5、焦点距離が70mmに決定されて最適化途中に値が変わらなくなります。

但しどこかのレンズ有効径を、軸上マージナル光線が蹴られるように設定をしてしまうと焦点距離が変化するので注意です。