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設計者コラム

#107 光学系の環境温度評価2

先月に引き続き、環境温度評価のお話しです。
前回はZemaxの"熱解析の設定"機能を使った解析方法について書きました。
コレ、微妙に使いにくい。
それはこの機能を使うと各レンズの光学有効径が完全に固定されるんですね。
光学設計の途中では、レンズの光学有効径が自由に動くように設定していることが殆どです。
最適化ではレンズの厚みや間隔などが、割とダイナミックに動くことがあります。
もしレンズの光学有効径を固定している状態で最適化を行うと意図しないビネッティングが生じる可能性が大です。
従って"熱解析の設定"機能を生かした状態で温度変化の影響を少なくする最適化を行うと、この現象が生ずることになります。

 

となると光学有効径を制限している状態を解除しつつ最適化を行い、様子を見つつまた有効径の固定を行うという作業の繰り返しを行うことになります。
それにコンフィグレーションが増加するということは、最適化の時間もかかるようになります。
必要な作業ですが、良いような悪いような…です。

 

これはある程度、プログラミングに長けた方ならZOS-APIやマクロを使用してどうにか出来る問題かと思います。
私もその方法で回避しています。
腕に覚えのある方はお試しください。