設計者コラム
#099 Zemaxの最適化アルゴリズム
今回はZemaxの最適化について書きます。
Zemaxの最適化機能を使うのは日常茶飯事です。
毎日やってるんじゃないかというほど、使っています。
ところで最適化には、
①DLS
②OD
③DLSX
④PSD
以上の4種が搭載されていることは皆さんご存じかと思います。
③と④はVer.21の頃から試験的に搭載されています。
ご興味のある方は下記リンクをご覧ください。
OpticStudio 21.1 Release Notes
ただ、情報はかなり少なくて探しても詳細情報は見つけられませんでした。
上の二つのリンクを読んでも結局何だかよく分かりません。
私の場合、通常のレンズ設計では①を使っています。
最適化が思うように進まず、行き詰った時は②~④を試してみることもあります。
本来、最適化が進まない時にはメリットファンクションを調整するのが筋ですが、②~④に切り替えると若干進むこともあります。
ところでこの4種のうち、①と多分③がメリットファンクション値に対して各パラメータで微分を計算して、より良い方向に進むアルゴリズムであるようです。
通常の場合は特に問題ないのですが、例えば"光線が全反射を起こしそう"、"既に起こしている"ような状態では一切最適化が進まなくなることがあります。
経験がありますが、どんなにメリットファンクションに大きなウエイトをかけてもこのような場合はダメです。
全く進みません。
ソフトの外から見た、あくまでも推測ですが上記の微分計算が全反射のために不可能になっていることが原因かと思います。
このような場合、微分計算に基づかない最適化アルゴリズムの②や④を使うと袋小路から脱出できることがあります。
本来は全反射状態を手動で修正し、最適化を行うのが良いかとは思いますが。