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設計者コラム

#089 位置ソルブとグローバル参照

光学系にはズームやフォーカシングを行う際、全長が変わるものと変わらないものがあります。
大抵のレンズではズームやフォーカシングを行う際、全長が変化するものが多いという印象です。
ところが中には色々な都合などによって全長が変化しない、と言うか、して欲しくないレンズ系もあります。
このようなレンズ系の設計を行う場合、ズームやフォーカシングを行うマルチコンフィグレーションを作ってメリットファンクション内で各コンフィグレーションにて全長計算を行っておき、それらの値が一定になるような制御を行います。

 

メリットファンクションには全長計算だけではなく、収差などの最適化も同時に行うことが普通ですから、普通の場合うまく全長がピッタリ揃うことはありません。
非常に大きなウエイトをかけても多分揃いません。とはいえ、ミクロン単位のズレは光学系にもよりますが無視して構わないこともあるでしょう。

 

ある程度コンフィグレーション間で全長が揃ってきてから、さらにピッタリ揃えたい場合にはZemaxでは位置ソルブにて揃えたい面の始まりから終わりまでの距離を揃えることが出来ます。
位置ソルブは固定値を指定する必要があるので最適化の序盤からコレを使うのは最適化の自由度が減少する意味であまり良いとは思いませんが、最終段階では有効です。
この機能はかなり便利・強力で、全くのズレなく各コンフィグレーション間で全長がピッタリ揃います。

 

OpTaliXにも同様の機能があります。
グローバル参照と呼ばれる面間隔の指定方法でGLBとTHRコマンドでこれを設定します。

 

私も結構これらの機能に助けられています。