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設計者コラム

#085 ZemaxのガラスカタログAGFファイル変換

皆さんご存じのように、ZemaxにしろOpTaliXにしろ、ガラスカタログファイルというデータベースを持っています。
要は"S-BSL7"のようなガラスメーカー固有の硝材名(商品名と言ってもいいかもしれません)をレンズデータに指定すると、屈折率やアッベ数、ΘgFのような諸々の物性値を事細かに指定したことになるデータベースです。
硝材メーカーからは結構新硝種がリリースされますので、特にそういった硝材を使われる方は常にガラスカタログを最新のものにしておく必要があります。
Zemaxはかなりの頻度でZemax本体のバージョンアップを行っており、その際に自動的に最新のガラスカタログファイルもインストールされています。
OpTaliXも同様ですが、Zemaxより本体バージョンアップが緩やかなペースであるため時間的なギャップが生じる可能性があります。
また各硝材メーカーからは最新のガラスカタログファイルが提供されていることが普通で、Zemax用の拡張子がagfのガラスカタログファイルをホームページなどからダウンロードすることも可能です。
Zemaxの本体バージョンアップを待つよりも、こちらの方が早いかもしれません。

 

ところでOpTaliXの最新バージョン11.81では"convagf"というコマンドが新規追加されました。
これはZemaxの拡張子がagfのガラスカタログファイルをOpTaliXのcsv形式に変換する機能で、上記の時間的ギャップを埋められるものです。
Zemaxのインストールフォルダや、硝材メーカーからダウンロードしたagfファイルが変換可能です。

 

OpTaliXのコマンドラインから"convagf ?"と入力すると以下のようなダイアログが出ます。
このインターフェースで変換元となるagfファイルの場所や硝材識別のための"Vendor String"を指定します。
"CSV catalogue"は変換後のcsvファイルの保存場所を指定しますが、フォルダは

convagf

 

"C:\ProgramData\OpTaliX\glasscat\"

 

上記のデフォルト状態でOKです。
"Vendor String"に例えばABCと入力してOKボタンを押すと

 

C:\ProgramData\OpTaliX\glasscat\ABC.csv

 

というファイル名で保存されます。
以上は硝材メーカーの新規ガラスカタログファイルを変換するという流れで書きましたが、Zemaxで皆さんが作っている?ユーザーガラスカタログファイルも変換可能です。
こういったOpTaliXへの移行がラクになる機能は歓迎ですね。