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設計者コラム

#070 ZemaxでTriplet最適化

先月、OpTaliXでトリプレットの最適化について書きました。
全く同じスタート状態から、今度はZemaxで最適化を試してみます。

 

目標は先月と同様、

 

①フルサイズ
②焦点距離50mm
③Fナンバー3.5
④バックフォーカスは無限共役で45.5mm以上
⑤光学全長は70mm以下

 

以上の条件です。
スタートの状態は全く同じですが、以下がZemaxのレンズ図です。

before optimization

 

Zemaxにもソルブ機能がありますので、自動的に焦点距離とFナンバーが固定される設定にしています。
この状態で焦点距離50mm、Fナンバー3.5が出ています。

 

最適化の目標は全像高のスポット半径を最小化するオペランドと上記の④と⑤を制御する部分、光学ディストーションを最小化する設定ですが、これは先月の条件と同じです。
最適化も同じ条件で、DLS最適化を20ステップです。

結果は以下の図になります。

after optimization

下図は先月のコラムに掲載したOpTaliXによる最適化結果のレンズ図です。

after optimization by Zemax

OpTaliXの最適化結果と似てはいますが第1レンズの形状が違いますね。
そもそもDLS最適化のアルゴリズムがOpTaliXとZemaxでは違うと思われますし、最適化オペランドは全く両者同一には揃えられません。
そういった影響の結果だと思います。

 

以降は設計者が意図をもって最適化を導いて行く必要があり、それは最適化アルゴリズムには無い機能です。
最適化アルゴリズムだけに任せていてはいけませんよ、ということにもなります。