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設計者コラム

#065 光線通過状態の自動解析

ZemaxにしろOpTaliXにしろ、レンズ系へ光線が入射して最終的に像面へ到達する光線に関する解析というのはユーザの知らないうちに計算されていることが殆どです。
各画角の光線がどのような太さで各レンズ面を通過していくのかを、蹴られの状態を考慮しながら計算しているわけです。

 

普通の撮像レンズなど通常の光学系では特に問題にならないことが多いのですが、絞り面がレンズの奥深くにあるとか画角が非常に大きいなどの条件下ではこの解析に失敗することがあります。
結果としてはレンズ図を見た時に通るはずの光線が通っていないなどの現象を引き起こします。
このような場合には物体と像をひっくり返して逆トレース状態にすると普通に光線が通ったりします。

 

さておき、一旦このような状態になってしまうとユーザー側ではあまり対処する方法がないというのが厄介です。
ZemaxとOpTaliXに共通して、レイエイミングを『無し』にするとか、画角設定を実像高の代わりに角度にするとかしますと光線が通るようになることもあります。
後者は兎も角、前者のレイエイミングをオフにすることは正確性をある程度犠牲にすることでもあるので、個人的には嫌だなと思っています。

 

Zemaxは最近、『強化された広角レイエイミング』というテスト段階の機能を搭載しています。
これが結構このような場面では有効で、時々お世話になっています。

 

OpTaliXではrais, raioコマンドで調整を追い込むと光線が通るようになることが有ります。

 

実際のレンズ系はレイエイミングなど考えずに通る光線は通るし、通らない光線は通らないのですが、シミュレーションは大変なんだなという一側面を見る気がします。