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設計者コラム

#052 OpTaliXの減感設計(z2o)

OpTaliXには公差を緩めるために用いられる減感オペランド群が用意されています。
tsf, tsi, tsv, tst…などです。
マニュアルに記載は無いのですが、開発元のOptensoに問い合わせた所、指定した視野・画角・波長の波面収差RMSの差分が返ってくるとのことです。
これを最適化に使えば、減感設計が可能になります。
一般的には一旦公差解析を行って公差が厳しくなりそうなポイントに目処をつけ、そのポイントに対して減感用オペランドを効かせるという手順でしょうか。

 

一方、Zemaxでは昔から減感用にtotrというオペランドが用意されています。
また、最近ではデフォルトメリットファンクションに予め組み込むことが可能なhyldがありますが、Zemaxではサブスクリプション版しかコレが使用できません。
ハードウエアドングルを使っている方は使えない機能です。

最近こういうの、多いですね。

 

Zemaxに二通りの減感用機能が搭載されている理由ですが、恐らく減感の手順が煩雑だからだと思います。推測です。
Zemaxに限らず一般的な話ですが、減感作業はかなり煩雑でレンズ設計そのものの作業よりも時間と手間が掛かることがしばしばです。
そのため、『デフォルトメリットファンクションに予め組み込んでしまえ』と思ったのではないかな~と考えています。

 

話が逸れましたが、減感には特に減感用オペランドが必要な訳ではなく色々な手法を使って目的を達成することが可能です。
用意されていれば必ず減感が上手く行く、というものでもありません。
まぁ、予め用意しておいてくれることに関しては利便性が高まるので感謝しています。