コプトン光学設計(ロゴ)

レンズ設計・製作、技術・ノウハウ移転サポート

コプトン光学設計コプトン光学設計




設計者コラム

#050 偏心・ティルト2(z2o)

前回は偏心の話と、OpTaliXは球面収差を含めて軸外の収差も上下瞳座標の縦収差として表記できるというお話でした。
またZemaxでは球面収差の縦収差は上光線側だけ描画が可能ということも示しました。

偏心時には瞳座標の上下で収差の状態が変わりますから、完全回転対称を前提とした上光線側限定の縦収差表示だけでは不完全です。
特にZemaxでは下図のように、偏心時の球面収差グラフは原点付近で正しく描画されません。

offaxis_sa

 

勿論、下光線側の球面収差描画は望むべくもありません。

またOpTaliXでも像面湾曲グラフは上下像高に対応していません。
像面湾曲グラフは実際の像面形状そのものを示すので、直感的に理解しやすいグラフです。
これが上下像高に対応してくれれば像面の倒れが分かりやすいのに…と思います。

OpTaliXでは正と負の像高を設定すれば像面湾曲だけではなくディストーションも、上下像高のプロットが可能です。

そこで今回作ってみたのがZemax用の上下瞳座標に対応した縦収差描画マクロと、上下像高に対応した像面湾曲描画マクロです。
下図のように球面収差は原点付近で異常な振舞いもせず、像面湾曲はちゃんと像面が倒れている様子が分かります。

offaxis_longitudinal

球面収差(左)     軸外収差(右)

 

offaxis_fc

 像面湾曲

恐らくOpTaliXにも移植できると思います。
自分が使うだけであまり需要もあるとは思えませんけど…。

 ※像高の設定次第で対応可能でしたので訂正しました。(2020/07/23)