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設計者コラム

#047 カム計算(z2o)

全体繰り出し単焦点レンズのような撮像レンズでも、ピント合わせの為にはレンズを像面に対して動かす必要があります。
単焦点でもフローティングなどのような特殊フォーカシング方法を採用するレンズや、ズームレンズの場合はピントや焦点距離を変える際に複数のレンズ群を動かす複雑な機構があります。
これらレンズ群の移動量は機械設計のために予め計算しておく必要があります。
2群ズームレンズのように、焦点距離に対する二つの群の相対位置が解析的に計算できるレンズは計算が楽な方です。
例えば4群ズームレンズのような多群構成の場合は、特定の焦点距離を出す相対的な群位置の解が無数にあるため一意に決定出来ない問題があります。
実際にはその中から、収差やMTFが良好であるという条件や機構設計的に無理のない条件を加味して複数の焦点距離に対する群位置を決めていきます。
Zemaxの場合は特にこの作業を支援する機能は標準では搭載されていません。このため自分で決めた価値判断を基に群位置を決定するマクロを作るなどの作業が必要になってきます。

  

ずっとこれが普通だと思っていました。

 

OpTaliXではカム計算と呼ばれる機能が標準で搭載されており、上記のようなケースだけではなくスキャン光学系のように何かの光学系要素が移動する場合にもこの機能が使えます。
この機能を使えば各群の位置を順次変えていった場合の焦点距離や光学全長のような指標を一気に作表することが可能です。
勿論、出来上がった表の結果が好ましいものかどうか別途検証は必要です。
Zemaxの場合は現実的にはマクロ作成が必要となり、カム計算用のメリットファンクションも通常の光学設計用とは別に定義する必要があります。
OpTaliXの場合はカム計算モードに入ると、メリットファンクションが光学設計用と切り離されてカム計算専用のメリットファンクションが書けるようになります。

OpTaliX、中々配慮が行き届いていますね。