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設計者コラム

#038 離散的最適化

最適化で性能を改善する場合、厚みや間隔、曲率半径などのレンズ情報は連続値を取ります。
ガラスも通常の最適化では屈折率、アッベ数、部分分散比も連続値を持つと仮定します。
実際にはガラスは型番や名称が決まってしまえば離散値を取るので、連続値で最適化計算を行った後に近傍にある実在のガラスで置き換える処理を行います。
これはDLSなどのような最適化アルゴリズムではパラメータ微小変化時の評価関数の微分を行う関係上、連続値を取る方が都合が良いためです。
関数の値に不連続な部分があって、グラフの傾きが無限大になる場合は微分計算が出来なくなりますのでこのようなアルゴリズムは上手く動かなくなってしまいます。

表題の離散的最適化ですが、マクロやマクロソルブを使用することで例えば曲率半径を対象にして行うことは試したところ可能でした。
但しDLS最適化ははエラーにはならないものの、最適化が収束せずに発散したり、不安定になることがしばしばでした。
『微分計算をやって失敗しているのだな』、と分かりやすい挙動です。
ZEMAXに搭載されている(マニュアルには詳細が記述されていない)OD法アルゴリズムは微分計算を行わないようで、このような最適化でも割合良好に動作します。

最適化の一考察でした。