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設計者コラム

#033 エッジ厚ソルブ

レンズの光学有効径の外側の部分は、レンズの固定に使われていて通称『コバ』と呼ばれています。
レンズを光学有効径ギリギリで作ってしまうと、レンズを枠にはめ込んで固定した時に本来想定した光学有効径全域で光線が通らなくなってしまいます。
このためにコバが必要になるわけです。
凹レンズは通常問題ないのですが、両凸レンズでは設計の途中でこのコバ部分のレンズ厚がゼロになったり、マイナスの値になることもしばしばです。
当然、コバ部分の厚みがマイナスのレンズは作れませんから最適化制御である程度の厚みがあるようにします。
このため普通は光学性能が出ると同時に、コバ部分の厚みがある程度の厚みになるようにレンズ中心厚や前後の曲率半径を変数化して最適化します。

ところが両面の曲率半径が小さいゴロッとしたレンズはこの最適化でも、目標とするコバ厚が上手く確保出来ないことがあります。
このような場合には『エッジ厚ソルブ』機能を使うと設計が少々楽になります。

ZEMAXのレンズデータエディタの該当するレンズの厚み部分をクリックするとソルブ設定画面が現れますが、この中から『エッジ厚』を選択し、出てくるダイアログボックスの厚みに確保したいコバ厚を入力します。
これで最適化の際でも絶対にこのコバ厚が確保されます。
但し『このコバ厚以上を絶対確保』というような機能ではないので、最適化によってレンズ厚やコバ厚が厚くなると光学性能が向上する場面でも指定したコバ厚になってしまいます。
場面を限定して使う方が良いでしょう。
これは(恐らく)厚みでZPLマクロソルブを使えば上記のような機能が達成できると思います。
興味のある方はトライしてみてください。