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設計者コラム

#024 BK7

BK7と言えば光学ガラス、光学ガラスと言えばBK7と言われるほど?有名なガラスの一つです。
他の光学ガラスの価格や性能の基準になったりするほどで光学設計・レンズ設計をやらない人にも結構知名度がありますね。
多分、西独Shott社が開発したガラス材料です。
光学ガラスを供給しているメーカーは大抵、このBK7相当のガラスをラインナップに加えていて、異なる名前ですが一見してBK7を思わせる名前であることが殆どです。

先日、複数のガラスメーカーの材料を使っているレンズデータを編集しているときに全てOHARAさんの材料に統一しようとしました。
nd-vdマップを見ながら相当するガラスに置き換えていくわけですが、『相当』とは言っても若干特性値が異なることもあるので、収差図などの光学指標が少々ずれることもあります。
たまたまだったのかも知れませんが、BSC7(HOYA)をS-BSL7(OHARA)に変更したところ、このズレが大きく感じられたケースに出会いました。
両者の違いを見極めるために普段あまり気にしていなかった各社BK7相当ガラスの特性値を比較してみました。
代表的な4社のBK7相当ガラスの比較表です。

各社BK7比較表

OHARAさんだけがnd=1.51633で、その他がnd=1.51680で揃っています。vdに関してはまちまちといった所でしょうか。
光学ガラスの製品としての屈折率の公差は大抵±30x10^-5ですから、±0.0003の違いがカタログ上はあることになります。この精度で公差を狙っている光学系ではnd=1.51633と1.51680の違いは無視できませんね。