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設計者コラム

#018 Zemax OpticStudio 17リリース

Zemax OpticStudioが先日、メジャーアップデートされてバージョンが17になりました。
さすがにマイナーアップデートと異なり、目立った変更点がいくつもありました。
色々とある変更点のうち、私にとって『使えるかな?』と思わせる機能は、

①視野設定画面がエディタとして実装された。
②像高数が12から50点に増加(Professional版以上)。Premium版は200点。
③デフォルトメリットファンクションでMTF最適化が選択可能になった。

以上の3点です。
①に関しては以前のバージョンでは(エディタではない)ちょっとした設定画面での設定でしたが、今回からメリットファンクションなどと同様のエディタ画面化したので統一感が出ました。
②は確かに12点では少なく感じることもあり、工夫して像高を増加させていましたが今回の変更によって素直に像高が増やせるようになったことは歓迎です。
③は実際私が使うかどうかは現状では少々不明ですが、選択肢としてMTFが指定できるようになったのは素晴らしいと思います。

像高数が増えたことでちょっとした意地悪テストを行ってみました。
Zemax OpticStudio 17で像高数20のファイルを作成し、今でも併用して使っているZemax 13で読み込んでみました。
まずZemax OpticStudio 17で定義した視野エディタの様子です。

Zemax OpticStudio 17の視野エディタ画面

次にこのファイルをZemax 13で読み込んでみました。
特にエラーは出ませんでしたが、下図のとおり像高数は12までしか読み込んでいません。

Zemax 13の視野エディタ画面

しかしエラーで読み込みが不可能になるよりはマシです。

デフォルトメリットファンクションでは今までにあった波面やスポット半径に加えて、コントラストが登場したのですが、これがMTFに相当するようです。
デフォルトメリットファンクションを使った事のある方はご存知かと思いますが、瞳をメッシュ状に分割して制御指標のオペランドを割り付けますので、かなりの数のオペランドが一気に自動的に付加されます。
コントラストを選択した時も同様で、メッシュ分割数に応じたオペランドMECSおよびMECTが一気に自動的に付け加えられました。
MTFに関してこんなにオペランドを付け加えて最適化がちゃんと回るのか?と少々不安も感じましたが特に問題もなく最適化してくれます。
じゃあ使ってみるか?と聞かれたら、『まだよく分からない』という感じです。
この機能に関して何かメリットを感じたらまたこのコラムでレポートします。