設計者コラム
#124 ビネッティングファクターと最適化
一般的にケラレのある光学系を設計・最適化を行う場合にはビネッティングファクターの設定を行う必要があります。
ビネッティングファクターは、ケラレによる入射瞳形状を楕円で近似する機能です。
特に設計開始時点では最適化を行う度にレンズ厚やレンズ間隔が大きく変化することが多く、それが理由でケラレ状態は大きく変動します。
そのためビネッティングファクターを固定したまま最適化を続けると、実際には通らなくなった光線を考慮したり、新たに通るようになった光線が考慮されなくなるなどの危険性が生じます。
一言で言うと、実際の光線状態を無視して最適化が進むということです。
勿論得られた結果は実際の状態を示していないことになります。
デフォルトメリットファンクションのウィザードでは、瞳の積分方法に"矩形配列(RA)"を選ぶ際、"ビネット光線の削除"オプションを選ぶことが可能で、ケラレた光線は除外してくれる便利機能があります。
これも同様の理由で、最適化が進んだ際には再設定が必要になります。
これを防止するためにはメリットファンクションエディタの"CONF"オペランドで示される各コンフィグ開始行の初めに"SVIG"オペランドを書き込んで、リアルタイムにビネッティングファクターを更新する必要があります。
但し、コレは最適化が激遅になるんですよね。
出来れば"SVIG"を書き込みたくないと常々思っています。
仕方がないので設計序盤はSVIGを使い、ある程度最適化が進み、レンズ形状などがあまり変化しなくなった時点でSVIGを削除したりしています。
それでもSVIGしないと不正確になるために、時々実施します。
またこれらの動作を自動化するマクロを作って運用しても良いかもしれません。
結構厄介な問題です。

