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設計者コラム

#121 IGNRとIGNM

Zemaxのマルチコンフィグレーションに用意されているオペランドにIGNRとIGNMという似た性質を持つものがあります。
どちらもレンズデータエディタに対して、指定する面番号を無視するかしないかを選択するものです。
無視された面番号は無いものとして、光線追跡の評価が行われません。
つまりその面にレンズが置かれようと、厚みや間隔が指定されていようと、まるで無いものとして扱われます。

 

何にこれが使われるかというと、例えばカメラレンズのコンバージョンレンズの設計などに使用されます。
コンバージョンレンズというのは、既存のレンズに装着することで全体の焦点距離や画角を変えることの出来るアタッチメントレンズです。
マスターレンズとなるレンズモジュールと、それに付けるコンバージョンレンズを同時に設計しようとする際にはマスターレンズ自体の最適化とマスターレンズ+コンバージョンレンズの最適化を同時に行う必要があります。
そのような時にはレンズデータエディタにマスターレンズ+コンバージョンレンズの情報を書いておき、IGNRオペランドでコンバージョンレンズ部分の指定を行います。
二つのコンフィグレーションを作り、一方はIGNRに無視しない設定を行って置き、他方は無視する設定を行います。
そのように設定すると、前者ではマスターレンズ+コンバージョンレンズの最適化を行うことの出来るコンフィグレーションとなり、後者はマスターレンズの最適化を行うコンフィグレーションを構成することが出来ます。
IGNRとIGNMの違いは、IGNRがレンズデータ一面ずつ指定しなければならないのに対し、IGNMは指定する範囲を一気に指定することが出来るという違いがあります。
通常は連続した複数の面を指定することが多いので、IGNMを使った方が便利です。
当然、設計時だけではなくレンズ評価を行う際にも役に立ちます。
一つのファイルで二つの評価が行えるので、複数のファイルを作らずに済みます。
この事例だけではなく、結構色々と使えるオペランドですね。