設計者コラム
#119 偶数次非球面とQタイプ非球面
スマホやアクションカメラといった最近のカメラには、非球面が使われていることが殆どです。
低コスト(=使用レンズ枚数が少ない)で、コンパクト、超高性能といった要件を満たすには非球面を多用することが不可欠です。
通常、設計データを依頼元や製造先に出す際には偶数次非球面データを用いることが殆どです。
公開特許データの多くも偶数次非球面でデータが掲載されていますね。
一方でQタイプ非球面という表現形式の非球面もあり、設計時においてより良い解を探索する時などには、この非球面形式を使うことが(私の場合)良くあります。
Qタイプ非球面は各次数の非球面係数の間に数学的な直交性があり、面の形状が決まると一意に非球面係数が決まる特徴があります。
このため最適化が進みやすいと言われています。
偶数次非球面の各項には直交性が無く、同じ形状を表すのに無数の組み合わせがあります。
このような特徴を持つ非球面表現形式ですが、Qタイプ非球面と偶数次非球面には相互変換可能な特徴もあります。
ですのでQタイプ非球面で設計し、最終的には偶数次非球面に変換して最終データとすることがあります。
少なくてもZemaxでは光線を通すための演算時間に差異があり、偶数次非球面の方が計算速度が速いという実感があります。
このため設計時にも両非球面の世界を行ったり来たりして何とか設計を纏めています。
結構これが難しい所です。

