設計者コラム
#116 プラスチック光学材料
ガラスに代わってレンズに使われるプラスチック材料は昔からあります。
身近な所ではサングラスなどに使われているポリカーボネートですね。
他にもアクリルとかあります。
最近では屈折率1.5、アッベ数55付近のZEONEXやAPELの各種材料と、屈折率1.6、アッベ数22前後のEP、OKPなどといった各種材料があります。
前者と後者はnd - vdグラフ、いわゆる日本列島地図のお互いに随分離れた位置にそれぞれ局在している感じでした。
しかしここ最近、三菱ガス化学はEPの非常に積極的な商品展開を行っており両者の間に位置する材料をリリースしてきています。
これ、結構設計に役に立ちますね。
以前は両グループは前述のようにかなり離れており色収差補正などがやりにくい面があったのですが、中間領域の材料が出てきてくれたおかげでその対策が楽になりました。
プラスチック材料は通常、射出成型で非球面レンズ化して使うことが普通です。
非球面による設計自由度を利用し、無理をして収差補正を行っている側面があったのですが中間領域のアッベ数を持つ硝材で自然な形で収差補正が出来るので助かっています。
OHARAが製造している光学ガラスの膨大なバリエーションには頭が下がる思いですが、そこまでではなくても光学プラスチック材料にも沢山の選択肢が出て来てくれることを期待しています。

