設計者コラム
#105 ビネッティングファクター
Zemaxにはビネッティングファクターという、他の光学ソフトではあまり見られない?機能といいますか、設定があります。
撮像レンズでは、軸外光線の一部がレンズの有効径制限などによって像面まで到達できないようになっているものがあります。
"けられ"と呼ばれる現象です。
意図的に制限をしている場合もありますし、機械的な制約からそうなってしまったものなど色々です。
そのような場合には軸外光が絞りの直径全てを通過出来なくなっているわけですが、光学設計ソフトではその状態を考慮して評価を行う必要があります。
Zemaxではそれがビネッティングファクターで、基本的には手動で設定する必要があります。
データが与えられたレンズの評価を行う場合は、ビネッティングファクターの設定を一回行うだけで良いのですが問題は最適化です。
最適化を行うと逐次、レンズの状態が変化していくことになるので当然ながらビネッティングファクターも自動変化させなくてはならないことになります。
それがメリットファンクションエディタ中に"SVIG"というオペランドを書くこということに相当します。
コレ、最適化が遅くなるんですよ…。目立って遅くなります。
最適化がある程度進んであまり"けられ"状態が変化しないことが分かっているならSVIGなしで最適化を行い、時々手動でビネッティングファクターを再設定するなどの方法で回避は可能です。
OpTaliXではこのビネッティングファクターの設定という機能はなく、都度内部的に同等の設定をしているように見受けられます。
ただ、OpTaliXの場合は最適化が遅くないんですね。むしろ早い。
前から不思議に思っています。