設計者コラム
#100 物体側テレセントリック設定
OpTaliXにもZemaxにも、物体側をテレセントリック設定にする機能があります。
Zemaxのマニュアルによれば、
"このチェック ボックスをチェックすると、絞り面の位置に関わらず、入射瞳が無限遠に位置していると
見なされます。 物体面から発した主光線は、ローカルの Z 軸に平行になります。"
上記のように書いてあります。
物体側がテレセントリックになるということは、入射瞳位置が像方向側に無限遠であるということです。
入射瞳は調整などによりそんなに簡単に動かせるものでもなく、無限遠にしたければそれなりのレンズ構成を最初から狙って設計する必要があると思います。
ですがこの機能、強引に?そのような振る舞いをさせるようです。
下図はそれぞれOpTaliXとZemaxの物体側テレセントリック設定箇所になります。
これにチェックを入れた場合の光線図は下図のようになります。
見てお分かりのように、本来レンズの有効径によって光線が通らないところに通そうとしている様子が分かります。
もちろんこのレンズを実際に作った場合、物体側テレセントリックには決してなりません。
じゃあなんでこの設定があるの?ということになりますが、何なんでしょうね…