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設計者コラム

#023 偏心収差係数

業務で必要になったこともあって、偏心収差係数を求めるZEMAXマクロを作ってみました。
偏心収差係数とは普通の3次収差係数である

Ⅰ(球面収差)
Ⅱ(コマ収差)
Ⅲ(非点収差)
P(ペッツバール値)
Ⅴ(歪曲収差)

上記5種の収差係数を使って計算されるものです。
計算の元となる5つの収差係数はどれも組立や加工誤差の発生していない理想状態で発生する収差ですが、非常に興味深いことにこれを組み合わせて計算することでレンズ面間、レンズ単体、レンズ群の面間シフトやティルトが誤差として発生した時の収差状態を求めることが出来ます。

どうやらCodeVにはその計算機能があるようなのですが、我らがZEMAXにはそんな機能は無いのでマクロ機能としてゼロから作った次第です。
計算量の負荷はとても軽いのですが、実際に加工誤差のシミュレーションを行った時の状態を非常によく表していてマクロを作った私もびっくりです。

実際にはこれを組立・加工誤差が発生した時の状態の事前把握やレンズ枠の機械設計に落とし込んで反映させるのですが、先人の知恵には感謝と脱帽です。